グラフィックボード(GPU)
(C) NVIDIA
グラフィックボードは単体のGPUを搭載したパーツで、内蔵GPUを大幅に上回るグラフィック性能持ちます。また、専用のビデオメモリ(VRAM)が付属しているのも強みです。
GPUコア性能差も内蔵GPUよりも大きく有利ですが、特に差が大きいのはVRAMです。GPU用のメモリ「GDDR」はCPU用のメモリ(DDR)よりも圧倒的に高速なので、特に高解像度・高画質のゲームや動画編集への対応力に関しては内蔵GPUの性能が多少上がったところで追い付くのは厳しいレベルです。
近年では内蔵GPUの性能が飛躍的向上しているため、フルHD以下の処理は割と対応できたりはするものの、依然として重量級ゲームや重い動画編集ではグラフィックボードがないと厳しいですし、生成AIに関しての優位性も最近ではあるので、重いグラフィック処理が用途に含まれているなら欲しいパーツです。
しかし、グラフィックボードはその高性能なグラフィック性能と引き換えにデメリットがある点に注意です。
まず、グラフィックボードは非常に高価です。製品にもよりますが、重いゲームや動画編集もある程度対応できるものは、最低でも3万円弱程度のグラフィックボードを検討する必要があります(2024年7月時点)。
人気のコスパの良い製品となると4万円以上が基本になりますし、それでも安い部類で、VRAM容量やコスパ特化を考えるなら6~8万円は欲しいところだったりします(2024年7月時点)。このように、グラフィックボードは非常に高価なのが、大きなデメリットです。
次に大きいデメリットは、消費電力が多い点です。これは、特にノートPC等のモバイル端末ではバッテリー持続時間の低下などにも繋がるので致命的です。そのため、モバイル端末においては高い性能があっても搭載していれば良いというものではなく、高いグラフィック性能が必要でないならむしろ搭載しない方が実用性は高くなる可能性が高い点は留意です。
他にもスペース面や発熱の点などのデメリットがあり、高い性能と引き換えに多くのデメリットをがあるのは留意しておくべき部分です。
CPUとの関連性という点では、先にも軽く触れましたが「ボトルネック」がポイントです。GPUにおけるボトルネックとは主にゲーム用途で言われる用語で、ざっくり言うとCPUの性能の低さが原因でGPUの性能を活かし切れていない状態のことを指します。
画像処理はGPUが担当するとはいえ、ゲームやソフトなどでは画像関連以外の処理も発生しますから、CPUも無関係ではありません。GPUが高性能であるほどフレームレートが上昇し、CPUももそれに応じた処理が必要となるため、そのGPUが処理できる膨大なデータ量についていける性能をCPUが持っていなければ、活かす事ができない可能性があります。
要するに、高性能なGPU(グラボ)の性能を最大限活かすには、それに見合った高性能なCPUが必要となります。
留意事項:GPU
ボトルネック
GPUにおいては、CPUの性能の低さが原因でGPUの性能を活かしきれないことを指します。
内蔵グラフィック(CPUの内蔵GPU)
CPUにはGPUを内蔵しており、別途グラフィックボード等を用意しなくても良いものがあります。Intel製の主流CPUは、ほとんどがGPUを内蔵しています。ただし、内蔵GPUは、グラフィックボード等に搭載される単体GPUより性能は大きく劣るため、高画質の3Dゲーム等を動作させるのは難しいです。(2019年9月時点)
GPUについては、下記でもう少しだけ詳しく説明しています。良ければご覧ください。
GPU(グラボ)とは?【ざっくり解説】 [/box]
CPUクーラー
虎徹 MarkII
CPUはその小さなユニットの中で膨大な量の処理を行うため、高負荷時には大きく発熱します。そのため、発熱の多いCPUでは冷却しながらの使用が必須です。その際に利用するのが「CPUクーラー」です。
高性能なクーラーを採用するとCPUが常に全力で稼働しやすくなりますし、電力効率も良くなるというデータもあるので(要確認)、高性能で発熱の多いCPUを採用する場合にはCPUクーラーも出来るだけ高性能なものを採用することが望ましいです。
以下はデスクトップ向けの話になります。
CPU自体にクーラーが付属しているモデルもあるため、別途の用意が必須という訳ではありませんが、付属のクーラーは基本的に性能が低く、安価な別売りクーラーより劣ることが多いので、静音性や冷却性にこだわりたいなら別のものを採用するのをおすすめします。
また、そもそもTDPが95W以上のモデルではクーラーが付属しないことが基本なので、クーラーは別途の用意は必須となっています。BTOパソコンや既製品のPCでは何かしらのクーラーが始めから取り付けられていますが、初期採用のものだとあまり良くない安価なものが採用されていることも結構多いので、高性能なCPUの場合にはチェックが必要です。
次に仕様面の話も軽くしていこうと思います。CPUクーラーにはの冷却方式は、大きく分けて「空冷式」と「水冷式」の2種類があります。下記からそれぞれについて軽く説明しています。
空冷
DEEPCOOL AS500 PLUS
冷却ファンが起こす風を利用して冷却する方法です。「ヒートシンク」と呼ばれる、熱伝導率の高い金属でCPUの熱を吸収し、そのヒートシンクを冷却ファンの風で冷やすことでCPUを冷却します。
水冷式と比べると安価な点や、故障率が非常に低くてメンテナンスもほぼ要らないなどのメリットがあり、採用率が非常に高いです。水冷の劣化と捉えている方も居るかもしれませんが、実際にはどちらが優れているというものではなく、双方の良さがある点は勘違いしないで欲しいと思います。
ただし、デメリットとして、搭載可能なファン的に水冷よりも最大冷却性能では劣る点や、PCケースのエアフローが非常に重要となる点、大きいサイズの空冷クーラーはPCケースの選択肢が狭くなることなどが挙げられます。
良い点
水冷より安価
故障率が非常に低い
CPU周辺のエアフローを強化できる
悪い点
最大の冷却性能という点では水冷に劣る(主に搭載可能なファン的に)
大型のものはケースやメモリの高さによっては使えない
エアフローがしっかりしていないと上手く機能しない可能性がある
簡易水冷
Corsair iCUE H115i RGB PRO XT
水冷クーラーは「冷却液」を冷却に利用するクーラーです。冷却液でCPUの熱を吸収し、熱くなった液体をラジエーター(ファン)で冷却し、また冷却した液でCPUの熱を吸収させる…という形で冷却液を循環させて冷却する仕組みのクーラーです。
水冷クーラーは搭載できるファンの仕様などの点から空冷よりも冷却性能を高くできるのが魅力です。空冷クーラーではスペース的に大きめのファンやファンサイズを増やしにくいですし、ファンの冷却性能を上げたらその分ヒートシンクも大きくしなければならないので、スペース的には厳しい仕様となっていますが、水冷クーラーはラジエーター(ファン)を別箇所に設置するので、設置難度は空冷よりも低く済みます。また、熱はPCケースの外に直接排熱されるので、エアフローが万全でなくてもPCケース内部に熱がこもりにくい点なども良い点です。
しかし、やはりデメリットはあり、空冷よりやや高価な他、高負荷時の継続使用で冷却能力が落ちる可能性がある、トラブル発生率が空冷よりは高い上に液漏れをした際のリスクが大きいなどが挙げられます。最近では故障率はかなり低くなり、メンテナンスも基本的に要らなくなったものの、空冷ではそのようなことを考える必要がないことを考えると、空冷にはないデメリットを抱えているという点のは留意しておいても良いかもしれません。空冷の上位互換では無い点は勘違いしないでください。
良い点
空冷よりも冷却性能を高くできる
熱をPCケースの外に排出できるため、ケースに熱がこもりにくい
悪い点
空冷よりやや高価
ラジエーターを別箇所に設置しないといけない(ケースファンの搭載可能数が減る)
環境によっては高負荷での継続使用で冷却能力が落ちる可能性がある
確率自体は非常に低いけど、空冷よりはトラブルが発生する可能性が高いし、トラブルが発生した際のリスクも大きい